三笠宮家のご長男、
寛仁親王殿下が
昨日薨去されました。
寛仁親王殿下が
昨日薨去されました。
ここに謹んで
哀悼の意を表します。
哀悼の意を表します。
寛仁殿下についてはいろいろ
物議をかもすことがありましたが、
皇族、しかも故人となられました
方ですので、今はただ衷心より
お悔やみ申しあげるのみです。
ただし、ここで
言っておかなければ
ならないことがあります。
寛仁殿下
ご本人に対してではなく、
寛仁殿下を利用しようとする
人々に対してです。
昨日、一報を聞いてすぐツイッターに
「寛仁殿下逝去。ご冥福をお祈りします」
と書いたら、
「『天皇論』に関わっているスタッフが
『逝去』や『ご冥福』を
使うとは、信用できない」
などと居丈高に批判してくる
人がいました。
じゃあそういう人は、
日頃「玉体」とか「龍顔」とかいう
言葉を使っているのでしょうか?
寛仁殿下のお出かけを
「お成り」と言ってたんでしょうか?
皇室に対する敬語も、時代によって
変わっていくものでしょう。
今回は産経新聞も「逝去」
を使っています。
「ご冥福」が仏教用語だというのも
いかにも硬直した感覚で、
日本では「ご冥福」は
「お悔やみ」とほとんど同義で、
キリスト教徒にもイスラム教徒にも
「ご冥福」を祈って
しまうもんじゃないですか。
まして皇室は歴史的には
仏教と深い結び付きがあり、
神仏分離は明治以降の感覚です。
本当に哀悼の意を表して
いるかどうかより先に、
字句にこだわる感覚が
いかにも「形式主義」的です。
まあ、「男系固執」こそが
究極の「形式主義」
なのですが。
もちろんこちらも不勉強な
ところはありますから、
親切で教えてくれるのなら
素直に聞きますけど、
居丈高に注意してくる態度には、
「オレは皇室の知識が
これだけあるんだぞ!」
と、皇室を利用して
自分のプライドにゲタ履かせて
いるような、イヤな感じがします。
そしてもう一点。
こっちの方が
はるかに重要です。
寛仁殿下の発言を
政治利用し続ける産経新聞、
およびニセ旧皇族・竹田恒泰。
これは絶対に許せません。
産経新聞は
「女系天皇反対ご発言」
の見出しで記事を組み、
生前のご発言を紹介しています。
寛仁殿下は平成17年、
自らが会長を務めていた
福祉団体の会報で
以下のように書かれており、
産経記事はこれを引用して、
自らの男系固執の
主張に利用しています。
「万世一系、一二五代の
天子様の皇統が貴重な理由は、
神話の時代の
初代・神武天皇から
連綿として一度の例外も無く、
『男系』で今上陛下迄
続いて来ているという
厳然たる事実です。
生物学的に言うと、
高崎経済大学の
八木秀次助教授の論文を
借りれば、神武天皇の
Y1染色体が継続して現在の
皇室全員に繋がっている
という事でもあります」
批判がましいことは
書きたくありませんが、
これを読んだだけでも、
皇族といえども
皇統については
何も知らない
ということは一目瞭然です。
「神話の時代の初代・神武天皇
から連綿として」って、
言ってることが滅茶苦茶です。
古事記でも日本書紀でも
神話と人の歴史は
明確に区別されていて、
神武天皇は神話ではなく
「人代」の最初です。
寛仁殿下はそれを「神話」と
混同しておられた。
おそらく、神武天皇は実在しない
と思っておられたのでしょう。
そして、「神話から連綿として」
というならば、それは
女神・天照大神から始まる
という常識もご存知なかったようです。
天皇の家系図にあたる
旧譜皇統譜の「世系第一」は
天照大神なのです。
後半の「Y1染色体」に至っては、
もう何をかいわんやです。
産経新聞記事ではさすがに
ヤバイと思ったのか、
このくだりは引用していません。
Y1染色体を遡ったら、絶対に
天照大神にはたどりつきません。
天皇の起源はアフリカの類人猿
だということになってしまいます。
この時、宮内庁の羽毛田長官が
寛仁殿下に発言を控えるよう
忠言したのは、当然のことです。
あまりにも天皇陛下のご意思と
かけ離れた放言をなさって
いたからでしょう。
八木秀次は、羽毛田長官の言動を
全て「陰謀論」で片づけようとしますが、
昨日、6月1日付で宮内庁長官を退任した
羽毛田氏が、天皇の参与に
就任することが発表されました。
参与は天皇の重要事項に関する
相談役であり、いかに羽毛田氏を
天皇陛下が信用されて
いるかは明白です。
羽毛田氏が
天皇陛下の意に反する
行動をすることは
考えられません。
その羽毛田氏がなぜ
寛仁殿下に忠言し、
女性宮家創設を
政権に訴えてきたのか。
もう言うまでもありません。
大切なのは
天皇陛下の
ご意思です。
寛仁殿下のご発言の
政治利用は、厳に
慎まなければなりません。